ヒューマンエラーは撲滅することができるのか???
答えはYESです!!
断言致します。
人は1000回のうち3回(千ミツと言うそうです)はミスをする動物だと言われています。
そうであれば、ヒューマンエラーはなくせないのか?
心さん、またウソを言っている!!
いやいや・・・。
人はミスをする動物だから・・・
と諦めているようでは、そこで終わりでヒューマンエラーはなくせません。
ではどのようにしてなくすことを可能とするのか?
そのあたりのお話しをしたいと思います。
- 参考コラム1:ヒューマンエラーに立ち向かう切り口は「スキルと標準」
- 参考コラム2:ベテラン社員のヒューマンエラーに潜む2つの落とし穴とは?
■心の訴えを聞くことがポイントです
人が作業をしているから起こるというのが理屈であることは間違いないのですが、人には感性があります。
そうです。感性の観点からの解析が重要となります。
感性=内面=心の面から原因追究をした良い事例がありますのでご紹介させてください。
谷村富雄著:ヒューマンエラーの分析と防止より
ここでポイントとなるのは「心の訴え」という切り口です。
この切り口に書かれた内容、あるあるだと思います。
ここから「人」「作業」「設備・機械・環境・物」と4Mに分けて原因を追究しています。
端的に表現され、 非常にうなずけるものだと思います。
この原因の裏返しが大まかな対策となります。
では例示として、心の訴え①「よく見えない」についてみていきましょう。
この訴えは、検査などでの見逃しがあった場合が考えられますね。
その原因は
- 人に関する原因:近視や遠視といった視力減退、障害がある
- 作業に関する原因:作業位置が悪く背に光を受けている
- 設備等に関する原因:採光や照明に問題があり薄暗い、明暗差が激しい
解消方法は以下のようなものが考えられました。
- 人に関する対策:拡大鏡を使用する、一定の視力を有する人を配置する
- 作業に関する対策:作業位置を変えて背に光を受けないようにする
- 設備等に関する対策:照明を明るいものに変更、照度を設定する
この様に、心の訴えから4Mへの分解で大まかな対策が検討出来ますので、ぜひ活用してみてください。
■エラープルーフは5つの切り口で考える
逃げの言葉に聞こえそうですが・・・
人はエラーする生き物という前提に立ては、出来るだけ人の行為を無くすことが解決への近道になります。
しかし、単に人がする作業を無くすだけでは解決にはなりません。
参考までにエラーモードとその内容について一覧にしたものがありますのでご紹介します。
人のエラーモードには16個あります。
それぞれをみると・・・
あるあると感じるのではと思います。
これらを無く場合、以下の5点の切り口で検討することをお勧めします。
- その作業自体をなくす(排除)
- もっと確実な方法に変えて人が作業をしないようにする(代替化)
- もっとやり易い方法に変える(容易化)
- 異常であることに気づくことができるようにする(異常検知)
- 致命的にならないように作業を並列化、制限、緩衝物や保護を付ける(影響緩和)
この排除・代替化・容易化・異常検知・影響緩和を検討することを「エラープルーフ化」や「ポカヨケ」と言います。
この5つの切り口に対するエラープルーフ(ポカヨケ)の一例もご紹介いたします。
単に人の作業を無くすだけではなく、置き換えてみたり、簡単な方法にしたりといった工夫・改善(エラープルーフ)がヒューマンエラーの防止につながるのです。
この一覧には多種の分野での事例を掲載しましたので、ぜひご参考ください。
■まとめ
いかがでしたでしょうか。
人が作業をする限りはヒューマンエラーはなくせないということはなく、心の訴えからのアプローチ、5つの切り口からのエラープルーフ(ポカヨケ)で必ず無くすことが可能であることがお分かりいただけたのではないかと思います。
そして無くすための工夫や改善は、貴方の会社や組織のノウハウとなり、それは将来に向かって積みあがっていきますので大きな財産となります。
この財産が積みあがることで、見る見るうちにヒューマンエラーが減りますので、ムダが無くなり、必ず儲けへとつながっていくのです。
さあーあなたの会社、組織もヒューマンエラーを撲滅して儲けましょう!