ヒューマンエラー対応

ヒューマンエラーにお困りの現場管理者に必見!ヒューマンエラーに立ち向かうための切り口とは?

雪の結晶(黄)

先日、心の声を聴いてヒューマンエラーに対処する方法や、エラーの種類からポカヨケを考える方法についてご紹介させていただきました。

今回は、ヒューマンエラーに立ち向かうための切り口について、簡単な図解やポイントを整理しながらお話をさせていただきます。

■ヒューマンエラーを考えるには「スキルと標準」で切り分けする

人はミスをする動物です。ですので、そのミスをなくすために、排除・代替・容 易化・異常検知・影響緩和といったポカヨケの工夫が必要です。

しかし、そのももヒューマンエラーとはなんのなのか?お考えになった事があり ますでしょうか? 単に人がミスやエラーをしたらヒューマンエラーというのかというと、それは 少々乱暴な気がしますし、そのミスやエラーに対してどのように立ち向かったらよいのかも分かりません。

そこでこの3つの切り口で考えてみましょう。

  • 1.手順(標準)はあるか
  • 2.標準どおりに実施したか
  • 3.標準を実施する人のスキルは十分あるか

この3つのポイントから対処すべき方向性をフローで表現したものをご紹介いたします。

鈴木信吾氏作「ヒューマンエラー防止のための基礎」
~マネジメントシステムの成長と改善に向けて~より

この切り口で考えると、何が原因でミスが発生したのかが理解できると思います。

原因と対策をまとめますと、このようになります。

  • 1:標準が無くのでミスをした場合 ⇒標準を作成する
  • 2:標準どおり実施してもミスをした場合 ⇒標準に不備があるので補強・改善する
  • 3:スキルがなくミスをした場合 ⇒①標準を教える、②技能訓練をする、③動機づけをする
  • 4:スキルがあってミスをした場合 ⇒ ポカヨケを検討する

スキルがなくミスをした場合の対策を山本五十六元帥の言葉を借りて書き直す  と・・・

  • 標準を知らない ⇒ →標準の教育をする ⇒ やって見せて言って聞かせる
  • 標準どおり行う技能がない ⇒ 技能訓練をする ⇒ やらせてみる
  • 標準どおり行う必要性の不理解 ⇒ 動機づけ ⇒ ほめる

  教育訓練は今も昔も流れは同じなのかもしれませんね。

単にやっておけと言うのではなく、原点に戻り地に足を付けた活動をしたいもの です。

■標準はヒューマンエラー防止の肝!!

先ほどのフローを見ていただいたらお分かりいただけるかと思いますが、標準(手 順)というのが重要な切り口になっています。

標準が明確に作成され実施されていると、エラーは大きく抑え込むことができる のです。

では、どのように標準を考えたらよいのか、ご紹介いたします。

1. 狙い:ありたい姿を明確にする

言うなら目的です。

目的が明確でないとあやふやな標準の設定になります。

地図のない旅は迷子になります。先ず何のための標準なのかを考えましょう。

2. 計画:適切な標準の策定する

ここが標準の作成段階で、極めて重要な場面です。

標準を作るときのポイントは、どんなリスクがあるのかを考えて、そのリスクが発生しないよう方法を考えること、そして、確実に実施ができる方法にすることです。

標準を作ってもリスクが考えられていなければミスを誘発する可能性があります。また、手の込んだ手順にしていると、実際に使えない標準となり絵に描いた 餅となります。

いかに使える標準にするのか、足しげく現場に足を運び考えます

3. 実施:標準どおりにやる

当たり前のことを当たり前に実施できるようにすることが重要です。

しかし、こ の当たり前にというのが難しいですよね。

そこで、これを実現させるためには、

現場を5 M1E(人・機械・材料・方法・測定・環境)の観点で、標準を実施するために 不足していることはないか、問題を抱えた状態になっていないかを観察し、整備するこが必要です。

このように標準の作成を行うとヒューマンエラーの発生を大きく抑え込むことが 可能となります。

■うっかり・ぼんやり・思い込みの3つが代表格

ヒューマンエラーの切り口には数多くありますが、うっかり・ぼんやり・思い込みがの3つがその代表格だと思います。

その代表格の切り口から、どんな対処が必要かご説明いたします。

  • うっかりしていたのでボタンを押し間違えた →意識レベル確保する
  • ぼんやりしていたのでフック掛け忘れた →外からの雑音(外乱)を無くす
  • 思い込んでいたので油で燃えているのに水で消火した →明確な指示をする

意識レベルを確保するというのは、そのボタンにしか意識が行かないようにハード面に工夫を施す、例えばボタンの数を減らす、ボタンの周りを囲うといった方法です。

また、人は程よい緊張感を持つことでミスを大きく抑止できるといわれていますが、その時間はわずか20〜30分と言われています。

そこで、30分ごとに休憩を入れるといった方法も該当します。

その操作しかできないようにすることがポイントです。

外からの雑音(外乱)を無くすというのは、人は一度に記憶できる量:5〜9個程度と言われています。

その中で数多くの作業がある、例えば、製品の検査項目が10個あって、一度のその検査を実施しているいった場合、1度の検査で確認する項目を5つまでにするという方法が相当します。

集中できる環境作りをすることがポイントです。

明確な指示を出すというのは、代表的なものとして「これ」「あれ」を使った指示はしないことです。

親しくなったり、その業務に精通されている方への指示の場合に多く発生します。相手は分かってくれるだろうという先入観はミスを発生させる要因です。

相手は分かっていないと考えて指示をすることがポイントです。

■まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回はスキル・標準という切り口からヒューマンエラーを考えてみました。

人が原因で発生したからヒューマンエラー、だから解決は難しいとするのではなく、スキル・標準という切り口で発生したミスやエラーを解析し、対処することで、ミスやエラーが抑止でき、生産効率が上がること間違いなしです。

生産効率が上がれば儲けにつながります。

貴方の会社・組織のヒューマンエラーを分析し撲滅して利益貢献しましょう!!