5S、ムダ取り

5S実践者おすすめ!整頓=3定の実践ポイントをご紹介します!

雪の結晶(緑)

小学生でもできますよ、整頓なら・・・

と申されるかもしれません。

しかし、整頓の本質が理解できていないと、決して品質改善活動には到達することはできません。

整頓とはなかなか奥深いのです。

では、簡単な事例を交えながらお話しいたします。


■たいていの実施は整列に終わっている??


あなたは「整頓」と聞いてどんな行動をしますか。

乱雑になったモノを棚や箱などに置く、入れる、順番に並べる、端っこに寄せる、などといったイメージではないかと思います。

これが整頓なら小学生でもできるという表現に間違いはないですよね。

でもこれ、残念ながら整頓ではありません。

これ、単なる整列なんです。

では整列と整頓の違いは何なのか?

まずは整頓について定義したいと思います。


■整頓とは


まず定義させてください。

整頓とは、

「要るものを必要な時に、直ぐに使えるように決められた場所に必要な量を置き、誰にでも分かるように明示すること」

先ず「要るモノ」という言葉がありますが、これは「整理」して要るモノだけに絞り込み、要らないものは捨てた状態のことです。

整理についてお話しております。

是非一緒にお読みください。

参考コラム:整理とは??


■整頓のポイントは3定なり


ここでのポイントは、

決められた場所・必要な量・明示する

ことです。

  • 決められた場所:定置
  • 必要な量:定量
  • 明示する:定品

全ての頭文字に「定」が付きますので、「3定」と言ったりします。

整頓は、要るモノに対して「3定」を実施することを言います。

このように表現すると、これは難しいな・・・

と思われますよね。

大丈夫です。

簡単な事例を交えながらお話ししていきますのでご安心ください。


■職場やお宅でのあるある事例


★職場でのあるある事例

  • マジックやボールペンは引出しやペン立てに全て収納しているので見つけるのが大変。
  • 机の上が書類やファイルの山になっていて、探し出すのに一苦労。
  • キャビネットはとりあえず書類を収納しておくための避難場所。
  • 工具箱を開けると工具の宝の山、でも使いたいレンジは一番下に入っていたりする。
  • 機械稼働中に使いたいレンジ、それは事務所の工具箱の中で大事に保管。
  • 発注した資材が届いたけど、置き場所が満杯なので床に仮保管。
  • 借りた工具を収納しようとするけど、どこに収納すればよいか分からず右往左往。
  • 使いたい工具がどこにあるのかバタバタ探す、そして見つからず別の人に聞きまわる。

★お宅でのあるある事例

  • 出勤時に靴下を取出そうと引出しをあけるとカラフルな靴下の山、目当ての色はどこに?
  • 自転車に乗ろうと鍵を探す、所定のかごには予備の鍵や他の自転車の鍵でてんやわんや
  • リビングでテレビを観ているとき、チャンネル変えようと取ったリモコンはエアコン用
  • 収納したはずの乾電池、どこにあるのか見つからず探し回る
  • 新しく買ったお洋服、いざ収納しようとしてもクローゼットは満杯で居場所がない

ごく一部の事例ですが、あるあるではないでしょうか。

これは整頓ができていないことから起こっている事例です。

その結果、探し回る、知っている人に聞く、いちいち取りに行く、場所を作る、仮置きするといったムダが発生しています。

これでは品質改善どころの話ではありません。

では、ここで整頓のポイントをご紹介いたします。


■目で見て分かる整頓が成功のカギ


最初の出発点は、整理(要らないものが捨てられて要るものだけに絞り込まれている)されていることです。

そのうえで、整頓のポイントは「3定」

  • 収納する場所を定める(定置)
  • 収納する品(物)を定める(定品)
  • 収納する量を定める(定量)

そして、これが誰でも分かるようにすればOK です。

簡単ですよね。

でも難しいのは、「誰でも分かるようにする」というところです。

単に場所を決める・モノを決める、量を決める、 それだけでは足りません。

誰でも分かるようにするというのはどのような状態なのか?

それは「目で見て分かる」ようにすることで、これが成功のカギとなります。


■具体的方法のご紹介


3つの方法をご紹介します。

★看板方法

場所、品目、数量を看板式で表示をして、目で見て分かるようにする。

これは、収納する棚や引き出し、あるいはかごや箱を用意して、そこに看板のように表示する方法で、最も一般的に用いられる方法です。簡易的ですぐに実施できるので、適用されることが多いのが特徴です。

端的に言えば、引越し作業と同じです。

  • 引越し先の住所を決める作業が定置
  • 自分の表札を付ける作業が定品
  • 表札に同居人の名前を書くが定量

先ほどの靴下を例にとると、私の場合は黒系・紺系・ローカットタイプの系列を分けてかごに入れ、そのかごに色名・最大収納数をテプラーで表記するという方法で実施しております。この方法ですと家族のものも間違えることなく収納することができ、かなり重宝しております。

物や数を特定するのに収納している状態を画像で表記されることも多い特徴があります。

ただし、看板が取れたりすることがあるので維持管理の必要があります。

★色別方法

機械と使用する工具の色を一致させる、収納する場所(棚や引き出しの周辺)と収納する物(ファイルなど)の色を一致させて、目で見て分かるようにする。

いわゆるひも付きで使用するものがあるときに適用されることが多い方法です。

その機械特有の工具があれば、その機械に色を付けたりして、その色と同じ色を工具にもつけてひも付けします。

ファイルの収納場所も分かりやすくするために、ファイルの色と同じ色のテープなどを使って棚や引き出しの周囲に色を付けてひも付けします。

★形跡方法

収納する物を絵姿に抜いたり書いたりして、目で見て分かるようにする

こうすると収納する物が絵柄で分かるので、文字で表現するよりも分かり易い、また、絵柄の数だけの数量が収納する数なので、数量も分かり易いという素晴らしい方法です。

現場の工具棚にこれを活用したり、机の引き出しの中に収納する文房具に活用したりします。


■整頓こそ品質改善活動の極み!!

目で見る整頓が進むと誰が見てもわかる状態ですので、探し回る、歩き回る、といったムダがなくなりますし、何より整然とした職場、作業場に変身します。

整頓された職場とは、仕事のできる環境が完璧に出来上がっていますので、間違いなく効率的な仕事ができます。

整頓がされるということは品質改善できる環境が極められた状態であるといえるでしょう。

さあ、あなたの会社、組織も整頓を極めて品質改善活動をしましょう!!