品質改善を通じて利益貢献するは可能です。
更にいうと、品質改善の成果が利益貢献した!!ことがダイレクトに見える方がより効果的です。
そのためには、品質をコストで捉えることが大切になってきます。
しかし、こんなお悩みを感じていませんか?
理屈は分かるけどそんなこと本当にできるの…?
品質改善は進んでいるものの、どうも成果が感じられず停滞気味…
品質をコストで捉えて品質改善し、利益貢献するためには4つのポイントがあります。
では実体験から学び得た4つのポイントついてお話させていただきます。
目次
■成果を利益で評価することが必要
品質は出来栄えで評価していることが多いのではないでしょうか?
不良やロスといった現象からの評価であったり、ロス発生件数の増減といった評価であることがほとんどです。
この評価は大切ですし必要だと思います。
品質を管理する真の目的は「品質改善を通じて利益貢献し、元気になって成長する」であると私は考えております。
その観点からしますと現象面や発生件数の増減だけでは「利益貢献して元気になって成長する」という目的を達成することはなかなか難しくなります。
品質改善した成果を利益というダイレクトな形式で評価できるように工夫する必要があります。
■「利益貢献する」は極めて重要!!
「利益」とは「お金」です。
「お金」というと、途端にイメージが悪くなります。
- 意地汚い(いじきたない)
- 姑息(こそく)
- 下世話(げせわ) ・・・
しかし、本当にそうなのでしょうか??
「お金」は我々の生活に直結する極めて重要なものです。
生活に直結するのは会社や組織も同じです。
むしろ、この会社や組織が活動することにより、我々の生活が支えられ未来があるのです。
「お金」は我々の生活、そして未来を作るための原資なのです。
「お金」を話をして「利益貢献する」ことを考えるは極めて正常であり、とても大切な事です。
ですので、このイメージはぜひとも払拭してほしいと願っております。
払拭頂いたところで本題の話に入りましょう。
■ポイント1:「お金」=「原価」と捉えて品質を語る
品質で利益貢献を実現するためにはどうするか??
品質を「お金」で評価することが必要です。
●利益=売上ー原価
ちょっと経理的な話をさせてください。
モノを作るために要した費用(コスト)のことを「原価」と言います。
ここにいくらか上乗せをした価格(売上)で売ることで「利益」を得ることができます。
「利益」 = 「価格(売上)」 − 「原価」
しかし、モノを作るためにロスが多い、時間がかかるといった手間がかかりすぎるとどうなるでしょうか。
モノを作るためのコストが増えますので、「原価」が上がります。
「原価」上がると、「売上」から引き算される数値が大きくなるので、「利益」が減る!!!
これは大問題です。
そこで、「品質」を「原価」で捉えるのです。
●原価=材料費+時間
では原価について考えましょう。
原価とは、モノを作るために要するコストのことです。
モノを作るために必要なものは「モノを作るための材料費」と「モノを作るための時間」です。
そこで、原価を次のように定義します。
「原価」 = 「材料費」 + 「時間」
●材料費を減らすにはロス低減
「材料費」は材料に要する「お金」です。
ロスが多い作り方だと余分に材料が必要となるので「材料費」が高くなります。
つまり、「材料費」が下がれば「利益貢献する」ということです。
「材料費」を下げるためには、最小限の材料費でモノを作れば良い。
つまり、「品質」を改善してロスを低減することで「材料費」が下がり「利益貢献」できるのです。
●時間もお金、最小の時間でモノづくりをする
「時間」について考えてみましょう。
ロスや手間がかかる作り方だと余分に時間がかかり品質も不安定になります。
「利益貢献する」ためにはどうしたらよいか???
安定した「品質」にするために少ない時間や手間でモノを作れば「利益」につな がると考えることができるようになります。
現象面や件数だと「利益」に直結した考えには結びつかないのですが、これを「原価」で捉えること「品質」が一気に「利益」につながるのです。
■ポイント2:シンプルにロスと時短で考える!
「原価」を下げることで「品質」が上がり「利益」につながることはご理解頂け たと思います。
では、この「原価」を下げることと「品質」をどう結びつなげるのか??
私が取り組んだ実例から紐解いてみたいと思います。
「品質」を良くするための活動 をシンプルに以下の2つに絞りました。
- ロスを減らす
- モノを作る時間の短縮(安定生産)
ロスを減らすために、前年に発生したロス総額と総量からロス単価(ロス総額÷ロス総量)を算出しました。
こうすることで、実際に発生したロス数量からロス金 額がすぐに分かり、儲けを取り損ねた「お金」がリアルに伝わります。
「お金」はリアル、リアルさが重要なのです。
リアルさがあるからもっと改善しようという意欲につながるのです。
モノを作る時間を短縮(安定生産)には指標が必要だと考え、2つの指標を作りました。
指標①:モノを作るのに掛る時間(スピード)
指標②:段取り時間
①と②に分けた理由は、それぞれが持つ時間の目的が違うからです。
- ①は正味儲けている時間なので、スピードを上げてもっと沢山の モノを作ることができるようにしたい
- ②は本来かけたくはない時間なので、最小限に 抑えたい
このように時間を2つに分けることで、それぞれの時間に対して何をしたらよいかが明確に考えることができるようになります。
■ポイント3:本当の手間は惜しまず省かず!!
時間を短縮させると「品質」がおろそかになる傾向があります。
時間に追われると、人は何かを無視するようになります。
これは人間の習性ですの で仕方のない事です。
時間を短縮するために「手間を省く」
この考え方は重要なことです。
しかし、省こうと考えるその「手間」は本当に省いてもいいのかどうかを、省くことを決める前に確実に検証してほしいのです。
具体的には、その手間だけを考えるのではなく、その前後の流れや全体への影響がないかどうかを考えてほしいということです。
そうすることで、品質の低下は確実に防げますし、より安定した生産につながります。
何か難しい事を言っているな・・・
を思わそうですが、良いものをお客様にお届けすることが使命です。
単純に手間を省いて楽をするのではなく、本当に必要な手間は惜しまない、でも不必要なまでに手間はかけないという考えが必要ということです。
■ポイント4:先ずはロスを減らすことが最良
時間の管理は難しいという声をよく聞きます。
一方で、時間は会社や組織の問題でありお客様に向いた品質活動ではないのではという声もあります。
そこで、推奨したいのが「ロスを減らす」から始めることです。
「ロス」はザックリですが「材料費」と考えることができますので、ハードルも低くお金としてとらえることも簡単にできます。
ロスを減らすことを進めると、材料費が減って原価が下がることでの利益貢献のみならず、お客様の評判や信用が上がりますので、モノが売れて売上増にもつながります。
お客様も喜び会社や組織も喜ぶ、WINーWINとなります。
ロスを減らす活動を進めていくと、次は時間を短縮したいな・・・と必ず考え方が進化します。
不思議ですが絶対その通りですので安心してください。
実際、私の経験しました。
ロスを減らす活動を最優先に進めることは間違いなく「利益貢献」につながります。
■まとめ
いかがでしたでしょうか。
実体験から学び得た品質をコストで捉えるための4つのポイントをご説明いたしました。
まずはロスを減らすことを先行させることで継続的な品質改善活動となる、かつお客様と会社や組織がWINーWINになることもご説明いたしました。
ー貴方の会社や組織も品質をコストで捉えて利益貢献いたしましょう。