クレーム対応は本当につらいですよね。
価値を提供する者としては避けては通れないことです。
そしてクレームを制し生かすことができなければ生き残っていけないでしょう。
でも、実際にこんな悩みはありませんか。
- 何とか許してもらおうと頭を下げ続けていたら逆に怒られ火に油
- 分かってもらおうと説明をするけど一向に理解してもらえう堂々巡り
- 報告の準備をしているうちに問題がさらに大きくなって大炎上
そこで、こんな悩みを解消するためにクレームの正体とは何か?クレーム対応で大切なポイントをご紹介します。
■クレームとは何かを理解しましょう
クレーム対応を考える前にクレームとは何かを知ることが大切です。
自分がお客さんの立場になって考えてみましょう。
どんな時にクレームしますか?
- 丈夫だと聞いて購入したスマホガラスシートなのにすぐに割れた
- 飲食店で注文してから30分も経過したのに料理が出てこない
- ネットで購入した真っ白な洋服に黒いシミが付いていた
これを一つ一つ見ていくと・・・
- 丈夫だという売り文句だから買ったのにどういうこと!!
- お腹をすかしているのに30分も待たせるのは何事か!!
- せっかく買ったきれいな服に汚れが付いているとはけしからん!!
人はそのモノや価値を手に入れるときに、ある種の「期待」を持っています。
その「期待」が悪い方に裏切られることで「クレーム」となるのです。
クレームとは
期待に対して応えてくれなかったことへの嘆き、悔しさといったメッセージなのです。
■クレーム対応の目的を考えましょう
ではクレーム対応の目的を考えましょう。
期待に応えてくれなかった時、嘆き悔しく思います。
そして、そのお店には行かない、そのメーカー品は買わないとなります。
何故か?
裏切られたことによって信用できなくなったからです。
クレーム対応の目的は、この失った信用を取り戻すことなのです。
謝罪して許して頂くことも必要です。
しかし、それ以上に失った信用に対して真摯に向き合い、誠実に対応する事が大切になってきます。
■クレーム対応において大切なポイントは3つ!
これは真摯に向き合って誠実に対応する事です。
そのために大切なポイントはこの3つです
- 事実を述べる
- 分かりやすい言葉で伝える
- 迅速に対応する
では、3つについてお話しします。
1.事実を述べる
当たり前のことなのですが、お客様に許してもらおう、早くおわわせようという考えが先行して、こんなことやっていませんか。
- 自分たちにとって都合の悪いデータを修正して取り繕う
- 早く終わらせようと事実確認もせずに思い込みで話をする
- 使い方に問題があるのではと、自分たちには非がないときっぱり言う
では、一つ一つ見ていきましょう
1・自分たちにとって都合の悪いデータを修正して取り繕う
これはデータ改ざんです。
これをしたことで大企業の品質不祥事も起こりました。
ちょっとしたことなので大丈夫という気持ちが命取りです。
ウソをつくと必ずほころびが出てきてつじつまが合わなくなります。
その場を取り繕うのではなく、ありのままを受け入れて検討する事が大切です。
その結果、大きな失態があるかもしれませんが、将来を考えましょう。
改ざんしてやり過ごしても結局他にも飛び火して大問題に発展するのです。
2・早く終わらせようと事実確認もせずに思い込みで話をする
品質管理の1つである5ゲン主義が全くできていない状態です。
原理・原則に基づき現場に行き、現物を見て、現実を受け入れる。
これをせずにお客様に向き合うのは失礼極まりない事!
時間がない!早く終わらせたい!
そんなことはお客様には関係のない事。
時間を要しますが、5ゲン主義を無視することが絶対に有ってはなりません。
3・使い方や材料に問題があって自分たちには非がないと言う
これは、完全に他責の念で責任転嫁です。
もしかしたら使用方法に問題があったかもしれません。
しかし、そんなことを唐突に言われたお客様はどういう気持ちになるでしょうか。
100%使用方法に問題があったとしても伝え方は考える必要があります。
例えば、悪い使用方法の事例をいくつか列挙します。
こういう使い方をされると問題が生じる可能性があるため、控えてほしい。
といった、お客様の非を断定するのではなく諭すような伝え方を考えましょう。
2.分かりやすい言葉で伝える
これのポイントは2つです。
- 専門用語を使わない
- 報告書内の文章は簡潔にする
1つ1つ見ていきましょう。
1.専門用語を使わない
普段何気なく使っている言葉なので当たり前になっている言葉でも、お客様にとっては専門的すぎて分からないことがあります。
技術的な言葉であれば、専門用語だしノウハウの漏えいになるので気を付けよう配慮します。
しかし、意外な落とし穴の言葉があります。
それは、略語です。
業界では当たり前の言葉といったもので、これもお客様にとっては専門用語になります。
専門用語を並べられたお客様は、言いくるめられている、馬鹿にされている、という不快な気持になります。
専門用語は使わず一般用語を使って伝えるようにしましょう。
報告書を作成した時も同じです。
提出する前に、技術部門や品質部門などとは関係のない部門でチェックしてもらうのも良い事です。
2.報告書内の文章は簡潔にする
一生懸命に説明しようと言う気持ちが先行し、長文になるというケースです。
これは、読み手を疲れさせると同時に、何が言いたいのかが分からなくさせます。
一文は30文字程度、句点が1つ程度あると読みやすいと言われます。
読みやすさは大切です。
ちょっとでも引っ掛かりを覚えると、正しい事を書いていたとしても疑いをもって見られます。
読み手であるお客様のことを想像して、簡潔に読みやすい文章を書くことを心がけましょう。
3.迅速に対応する
5ゲン主義で対応するから時間はかかる。
そうですが、その前にできることがあります。
それは、現時点の状況と今後の予定をお伝えする事です。
最終の回答ができるのであればそれに越したことがありません。
しかし、現状を把握して原因追究、対策を講じて効果確認するという一連の活動修了を待っていては、時間が経過するだけです。時間が経過すると雪だるま式で問題がどんどん大きくなります。
お客様に対しては、取組み状況と計画をお伝えします。
そうされるだけで、ほったらかしにされていない、こちらのことを考えていると伝わるものです。
計画をお伝えする時は、必ず期日を明確にしましょう。
期日が明確であることでお客様にも安心頂けます。
■まとめ
いかがでしたでしょうか。
クレームは期待を裏切られ信用失墜が原因です。
その信用を取り戻す活動がクレーム対応です。
クレームはお客様からのありがたいメッセージです。
そのメッセージにお応えするという気持ちで取り組みましょう。
そして、クレーム対応においても5ゲン主義や原因追究をするときにはなぜなぜ分析といった品質管理の手法が役に立ちます。
クレーム対応の中でも、品質管理の手法を用いて利益貢献することができます。
クレーム対応でお困りの管理者、どうぞお声かけ下さい。
全力でお手伝いいたします!