周りを取り巻く環境は目まぐるしい速度で大きく変化しています。
日進月歩と言いますが、今や分進日歩といった方がしっくりくる、それくらいのスピードで変化しています。
その変化に対応していかなければ置いてぼりになり、会社や組織の存続も危うくなります。
ここは品質管理を使って変化に対応したいと考えますが、品質管理は維持管理のイメージが強くあります。
そこで、品質管理で変化に対応するにはどうすればよいのか?
3つのキーワードを通じてご説明いたします。
目次
■想定外に気付き、やり方を速く変えるために品質管理が必須!
変化が大きく速いと、想定外のことが起こります。
では、想定外のことが起こるとどうなるのか…
会社や組織の存続が危機的な状況に陥ります。
そうならないためには…
想定外の変化に気づく事が求められます。
また、変化に対応するためには、何事も柔軟に対応することが求められます。
柔軟に対応するためにはどうするのか…
今までのやり方を速く変えていく必要があるのです。
変化に気付く、今までのやり方を速く変える。
これらを実現するために有効な手法が「品質管理」であり、必須なのです
■キーワードは感度・手数・速度の3つ!
変化対応するためには、その変化に気づくことが求められます。
そこで有効な品質管理手法は「異常管理」です。
異常管理を通じて期待すること、それは…
キーワード1:感度を上げる
感度を上げて、想定外の変化に対応するのです。
▶参考コラム:日常管理=異常管理、その効果的な運用ポイントをご紹介!
変化に対応するためには、今までのやり方を変える必要があります。
そこで有効なのが「5ゲン主義」で徹底した情報収集を行うことです。
5ゲン主義の情報収集を通じて期待すること、それは…
キーワード2:手数を増やす
手数を増やして、想定外の変化に対応するのです。
▶参考コラム:5ゲン主義をAMC観点で実践し品質改善を!
変化に負けず速く変えることが求められます。
ここで有効な品質管理手法は「5S活動」でムダを徹底的に排除する事です。
5S活動で徹底的ムダの排除を通じて期待すること、それは…
キーワード3:速度を上げる
速度を上げて、想定外の変化に対応するのです。
▶参考コラム1:整理とムダ取りを切り口にした実践ポイントをご紹介
▶参考コラム2:整頓=3定の実践ポイントをご紹介
▶参考コラム3:清掃=掃除だけではない!保全実践の4つポイントをご紹介
▶参考コラム4:清潔=3Sの継続、そのポイントをご紹介
▶参考コラム5:躾=文化づくり、その3つの実践ポイントをご紹介
次に、3つのキーワード<感度を上げる・手数を増やす・速度を上げる>と、品質管理手法<異常管理・5ゲン主義・5S活動>との関連をもう少し詳しくご説明します。
■キーワード1:感度を上げる~異常管理で研ぎ澄ませ
感度が鈍いと、普段どおりやっているから大丈夫だろうといった感覚に陥ります。
そうすると、ちょっとした変化、例えばモーターから異音や異臭がするとか、熱が発生しないところで派生しているといったことに気づけずに置き去りとなります。
実は、想定外の変化は、こういったちょっとした変化の積み重ねから起こっているのです。
300件のヒヤッとしたトラブルがいずれ1件の大きなトラブルへの進展するというハインリッヒの法則があるのですが、まさにそれです。
300件のトラブルが積みあがる前に、1件のちょっとした変化に敏感に気付く、つまり異常だと気付ける、感覚が研ぎ澄まされるようにすることが大切となってくるのです。
異常管理の目指すところは日常管理の中で「感度を上げること」
異常管理を徹底的に実践することこそ「感度を上げる」最大の基なのです。
■手数を増やす~5ゲン主義で最高のモノを
手数を出すためには情報が必要です。
情報は机で考えていても入ってきません。
トラブルは常に現場で起きているのです。
現場に足を運び現物をみて現実を受け入れる、それを原理・原則を基に判断する、この「5ゲン主義」という地道な行為の積み重ねこそが手数を増やすことにつながります。
また、出来る範囲のことしかやらない、忙しいし時間もないのでこれくらいでいいか、と妥協すると、本当に完成させたいところには到達できません。
今持てる手段・技術やテクニックといった手数を総動員し、妥協せず最高のモノを仕上げる、これでもか!と「手の切れるモノに仕上げる」ことも手数を出すこととなります。
こういった地道で妥協なき活動を積み上げていくことが「手数を増やす」ということなのです。
■速度を上げる~5S活動でムダを徹底的排除
速度=スピードです。
スピードも品質の一つです。
同じ仕事でも早く仕上げてくれた方が断然ありがたいです。
これは言わずと知れたことです。
その為には、効率よく仕事を進める必要があります。
効率よく進めるために有効な手法は「5S活動」です。
5S:整理・整頓・清掃・清潔・躾、これが目指すところは「ムダの徹底的排除」です。
ムダの徹底的排除を通じて、業務の効率、そして会社や組織の生産性が向上します。
まさしく会社や組織のスピードが上がります。
5S活動を徹底的に実践する事でムダが排除され「速度を上げる」ことができるのです。
■最後に
3つのキーワード:感度・手数・速度、これと品質管理との関わりで大きな変化にも対応できることがご理解頂けたかと思います。
この3つのキーワード:感度×手数×速度はどれ1つとして欠けることが不可欠であり、これら3つが掛け合わされたとき、想像もしない程の大きなパワーとなります。
感度を上げる・手数を増やす・速度を上げる
これらを徹底的に実践することで会社や組織が大きな力を発揮し、想定外の変化にも対応できることになります。
感度・手数・速度をキーワードとした品質管理の実践することで、想定外の変化に対応した会社や組織作りをしましょう。