5S、ムダ取り

5S実践者におすすめ!躾=文化づくり、その3つの実践ポイントをご紹介!

雪の結晶(緑)

「躾」と聞くと、言葉から、子供やペットをしつけるように、風紀が乱れないように厳しくルールを守らせていく、イメージをお持ちになるのではないでしょうか。

えっ!!ちがうの???

はい!まったく意味が違います。

その理解では5Sで品質改善することは難しいです。

では、5S(躾)の本質を紐解いて参りましょう。

■5S:躾を定義しましょう

まずは、5S(躾)を定義させてください。

躾とは、「決められたことをいつも守るように習慣づけること」

社員全員で3S活動を徹底して実践し、4S:清潔で維持し、それが全員当たり前となるほど習慣となった状態が「躾」です。

つまり、具体的な行動ではなく、結果・状態です。

決して強制したり、押し付けたりするものではなく、上司・部下関係なく、全員が自発的に行うという習慣が身についており、風土化しているのです。

つまり、「躾」とは、「定着させる」「文化となる」というイメージで理解するほうが分かりやすいと思います。

■ポイント1:「見直し」「叱る」できっかけ作り

定着させて習慣づけるためには、「見直し」と「叱る」がまずの出発点になります。

例えば・・・

「収納方法を決めたにもかかわらず守られていない」という状況があったとしましょう。それには2つの要因があります。

  • 1.物理的に戻らない
  • 2.分かっていてに元に戻さない

「物理的に戻らない」というのは、こんな事情があると考えます。

  • 決めたルールが分かりにくいため間違える
  • 過剰にものがあるので元に戻せない

この場合は、ルールの「見直し」が必要となります。

整理・整頓の状況を見直してレベルアップを図ることを考えましょう。

次に、「分かっていて元に戻さない」というのは、このような事情があると考えます。

  • 管理監督者がその人に対して指導をする必要。
  • 単にルールを守れと指導しても守らない。

この場合は、ルールの目的を説明して理解してもらうことが大事となります。

つまり「叱る」です。

ルールを守るまでフォローしましょう。

放置、諦めるとそこで終わりです。

ここは根比べです。

成功の反対はあきらめること、あきらめず継続する先に成功があり、定着とつながっていきます。

■ポイント2:ボトムアップで定着化

先ほどの「叱る」はトップダウンです。

初期段階では必要な活動ですが、トップダウンは言われたことをやるだけにしかなりません。

つまり、自分たちで考えて活動するといった自律した活動とはならないのです。
定着化に必要なのは自律的な活動です。

定着化に必要なのは自律的な活動です。

自律的な活動とするためにはトップダウンと反対のボトムアップ式の活動で躾を実践することがポイントとなります。

ボトムアップのポイントは、3つです

  • 否定しない
  • 放置しない
  • あきらめない

否定しないとは、やりたいと考え抜いたことはやらせるということです。

よほど方向性に問題がある場合は別ですが、まずは実行させることが一番です。

実行することで良し悪しが見えてきます。

良ければ標準化、悪ければ軌道修正、実行することでどんどん動きが活発になってきます。

放置しないとは、任せっぱなしにしないでフォローすることです。

任せているから関係ないというのは責任転嫁です。任せていても任せた側には最後まで責任があります。

むしろ任せたらその状況を確認し、結果がよければそれを褒め、時には軌道修正をして束ねていくことが大切です。

諦めないとは、失敗してもくじけずに最後まで実践することです。

任せているから関係ないのではなく、任せた側も結果にこだわり、最後まで粘り強く導くことが大切です。

最後まで粘り強く導くことにより、活動の結果から得られた成功体験が積み上がります

成功体験が自信となることで活動がさらに活性化し、文化として定着するのです。

■ポイント3:仕掛けを使って定着化への工夫を

行動を習慣にするには、同じ行動を身体が覚えるまで続けることが必要です。

しかし、人は意志が弱い生き物ですので、すぐに楽な方に移行しがちです。

それを克服するためには、自然に行動するような工夫や、定期的に集まったり、お互いにチェックしあうといった仕組みづくりが必要です。

全部のことを実践することは難しく、かえって実践に結び付きません。
ここは簡単なことから始めるのが良いです。

参考までにいくつか実例を挙げます。

実例1
スリッパ脱ぎっぱなしを無くすために、置き場にスリッパの形を描いたシートを設置して、そこでスリッパを脱ぐ。

⇒ 無意識に元の場所に戻るようになる

実例2
工具を決まった場所に戻せるように、工具の置き場所をそれぞれの工具の形にかたどって、それしか置けない状態にする。

⇒ 自然に元の場所に戻るようになる

実例3
各自「毎日実践する」行動を決めて、チェックシートにマークする。
 ・毎朝清掃する
 ・終業後に作業台を元の状態にする
 ・帰宅時は机の上にはパソコンと電話だけにする  など

簡単な行動目標を決める。
決めたら全員で一つのチェックシートを作成して毎日チェック、みんなで見える化。

⇒ 2か月ほど続けると、その行動をしないと気持ち悪くなる。
継続できなければ行動のハードルを下げるなどの見直しを

■最後に

5S:躾は文化づくり、その実践するための3つのポイントをご紹介いたしました。

定着させ文化とするためには個人個人の実践が大切ですが、全員参加で実践しなければ本当の「躾」の成果は得ることができません。

文化となり風土となるまでには覚悟が必要ですが、諦めたらそこで終わりです。

しかし、あきらめずに継続すれば、必ず定着化でき文化となります。高い山の頂上から見る景色は最高です。

是非、その景色を味わいましょう!!

さぁー貴方も最高の景色を味わい、そして品質改善しましょう!!