5S、ムダ取り

5S実践者おすすめ!清掃=掃除だけでない!?保全実践の4つのポイントを紹介!

雪の結晶(緑)

何故、5Sに清掃(3S)があるのか?

5S:整理・整頓・清掃・清潔・躾です。

5Sはムダを徹底的に排除するために実施しますが、そこに3Sの「清掃」があります。

では、何が目的で3Sの清掃が存在するのか、そして、清掃を実施することで品質改善活動が展開できるのか?

そのあたりを3Sの展開方法を交えながらお話しします。

■ポイント1:清掃は異常に気付けるようにすること

説明の前に、清掃の定義を明確にします。

清掃とは「要るものを掃除しきれいな状態を保つと同時に点検すること」

きれいな状態を保つことは清掃の醍醐味であるので理解できると思います。

ここでのポイントは「点検する」につながっていくのが清掃ということです。 更に、ムダを排除するという観点から、

ムダの発生を一目でわかる見える化を進め、すぐに分かるようにする

つまり、異常に気づけるようにすることがポイントとなります。

その異常に気付けるようにすることで「点検」につながっていくのです。

では、この異常に気付けるようにするためにはどのような進め方をすればよいのか?
ご紹介してまいります。

■ポイント2:清掃で最高の状態を維持する

整理・整頓(2Sが完備)された職場を維持していく意味からも清掃を実施したいところです。

一般的に、清掃は見た目をきれいにすることが目的のように考えがちですが、そうなると後々続かなくなります。

先ほどの定義を踏まえ、意義を考えましょう。

確かに見た目は大切ですが、清掃とは、自分たちが使うものをきめ細かく管理して、異常に気付けるよう点検し、常に最高の状態を維持する・守っていくという意義があります。

この様に考えると、単に見た目をきれいにするという観点から、モノの状態を維持して管理する考えになっていきます。

■ポイント3:清掃の計画を立てる

清掃の意義を共有できたところで、具体的に計画を立てていきましょう。

1.清掃対象を決める

使いたいものがいつでも使える状態にするには、日々業務の中で清掃を習慣にする必要があります。そのために、清掃対象を3つに分けましょう。

  • 対象1:モノの置き場
  • 対象2:設備関係
  • 対象3:事務所などのスペース

2.清掃用具をそろえる

3つの清掃対象に合わせた用具を準備します。
準備した用具は、整頓の3定(定置・定品・定量)を基本として、戻しやすさや用具の汚れが一目でわかるように1本づつの置場を作ります。

3.清掃担当を決めよう

単に清掃をしようと号令をかけたり啓蒙するだけでは実施が進みません。そこで、清掃区域・清掃担当者・清掃時間・清掃方法の4項目を明確に決めて実施を促しましょう。

1、清掃担当マップを作成する
工場や作業場のレイアウトを基に担当者を割り当てたマップを作成

2、清掃スケジュールを作成する
共同で使用する場所では、清掃の中身を洗い出してスケジュールを作成

3、マップとスケジュールを掲示する
みんなが見える場所に掲示して啓蒙

4.清掃方法を決めよう
清掃方法を決めるのは、誰が実施してもきれい無い状態が維持できるようにする為です。人によるバラツキを無くして美しさを維持しましょう。

ちなみに私はこんな観点で決め事を作るって継続させてみました。

  1. 5分で清掃できる範囲を絞る
  2. 清掃手順を洗い出してフローに仕上げる
  3. 「週間清掃チェックリスト」を作成する

5.清掃点検チェック表を作成しよう

ここからは清掃の維持管理が主体になってきますが、重要なポイントです。

主にはこんなポイントで考えましょう。

  1. 現象面から見た清掃点検のポイント
  2. 機構面から見た清掃ポイント

現象面は
  「ゴミ・汚れ」「油」「温度・圧力」「ゆるみ・たるみ」「破損」の5点

機構面は
  「油圧系」「空圧系」「潤滑系」「機械系」「電気系」「治工具系」の6点

6.清掃点検を実施しよう

チェック表を使って点検を実施します。

その際、機械をぐるりと1周すれば点検が済むようなルートや方法になるように点検項目を並べ替えておくと便利です。

  1.   清掃点検ルートマップを作成
  2.  日々点検・週点検・月次点検と場所ごとに色分けしておく

■ポイント4:清掃点検を保全活動につなげよう

清掃点検を通じて目指したいところは、早期に異常に気付いて修理・復元・改善等を行うことです。

清掃点検を実施していると、いつもは油汚れしていないところが油汚れがある、ボルトが落ちていなはずなのに落ちているといった異常に対する感度が上がってきます。

この感度を応用して機械の異常がないかどうかも点検するのです。

清掃点検は機械をぐるりと1周すれば点検できるようにしていますので、その活動と合わせて機械の異常がないかどうかの確認をするための項目も盛り込むのです。

そうすることで日常的に設備点検も実施され、設備保全が実現されるのです。

■最後に

清掃=異常管理=設備保全を実現するための4つのポイントをご紹介いたしました。

5Sの清掃活動を行うと異常に対する感度が上がり設備保全まで実現できます。

これは、機械が故障で止まるということが最小限にとどめられますので、稼働率が維持向上します。

そうです!!品質改善活動が進むのです!

貴方の会社や組織も、清掃を通じて稼働率を上げて品質改善活動をしましょう!